今回はいよいよ
システムトレードの中身に入っていきたいと思います。
そもそも、「システムトレードとは何か?」というおさらいからお話したいと思います。
投資手法を大きく分けると、2つに分類できます。『裁量トレード』と『システムトレード』です。
*『投資で全勝なんてありえませんから!』を参照 まず
『裁量トレード』とは、『個人が自分の判断で投資をすること』を指します。人によってそれぞれトレードする根拠はさまざまでしょうが、自分の経験やカンなどに基づいて投資判断やトレードを行います。
属人的投資手法と言えますね。これは他人が簡単に真似することはできません。かつて長嶋茂雄が「長嶋さんはどうやってボールを打つのですか?」と聞かれ、「来た球をスパーンッと打ちます」と答えたようなものですね(笑)。野球の天才ともいえる長嶋氏は、理論的バックボーンやメカニズムなどを明確に意識してではなく、非常に感覚的なカンなどによってバッティングを行っていたということが分かるエピソードです。
裁量トレードとは、この長嶋氏のバッティング論に通じるものがあります。非常に個人的な感覚に頼ったトレード手法と言えましょう。ですから他人に教えたり、論理的に検証したりすることが難しいのも当然です。
天才であるがこそ可能となる手法、と言ってもいいかもしれません。なぜなら、明確な基準や論理性などがなければ、失敗した時に問題点を抽出して修正したり、ある一定のパフォーマンスを出し続けたりするのが非常に難しいからです。
投資の世界において、
裁量トレードで勝ち続けられる人の数が5%以下だと言われるのも頷けます。
次に『システムトレード』ですが、これは『過去のデータを統計的に分析し、より有効なトレードルール(取引条件や取引タイミングなどの判定)を見つけ出し、そのルールに従って感情を排除した取引を淡々と続けていく、という手法』です。先ほどの『裁量トレード』とは対極にある概念です。
経験やカンといった属人的要素を排除し、明確に一定のルールを設定します。それに沿ってトレードを繰り返していくのです。そのトレードルールを
『ロジック』と呼びます。
明確なルールが決まっているのですから、『ロジック』を修正することも簡単ですし、一定のパフォーマンスを出しやすいというメリットがあります。また、有効なロジックを発見した場合、他人に教えたり、共通の投資方法を取ることが容易にできます。
統計的データを基にして有効性を検証しているのですから、
リターンやリスクの範囲などを予測することが比較的容易です。これは非常に大きなメリットです。裁量トレードの場合、短期間で莫大なリターンを得ることも可能ですが、投資金額がゼロになってしまうリスクも大きくあります。変動幅が大きく、事前にパフォーマンスやリスクなどを予測することができません。
その点システムトレードの場合、きちんと検証されたロジックであれば、ある程度の予測は可能です。
投資において、最大のリスクは『予測できない』ことにあるのですから、ある程度のパフォーマンスが予測できるシステムトレードは、非常に有効な手法であることが理解できると思います。
野球でいえば野村監督のやっている『データ野球』がこれに近いかもしれません。
さてこの『ロジック』ですが、勉強を始められた方にとっては非常に難しく感じられるかもしれませんが、意外にそんなことはありません。誰でも理解できる概念なのです。ある一定のルールに基づいてトレードすれば良いのですから。
例えば、あなたに証券会社の営業担当から電話が掛かって来たとします。その営業担当者はよく電話を掛けてきては、「この銘柄がおススメですよ」とか「この銘柄が今買いです!」などと株式の購入をあなたに勧めます。
良い感じの人なので、あなたはこの営業担当者を信じてみることにしました。そこでルールを決めます。「この営業担当者の言う通りに売買してみよう」と。これでロジックの完成です。売買ルールは
『証券会社の営業担当者が言う通りに売買する』というものです。
これも立派なロジックです。ここにはあなたの疑念や躊躇などは入れません。ただ淡々と言われた通りに売買を繰り返すのです。
これによって、1年後、このロジックのパフォーマンスが分かるでしょう。おそらくあなたの投資資本は減っているでしょうが・・・。
このロジックの欠点は、事前にパフォーマンスの予測や検証が出来ないということです。
有効性が検証されていないロジックなのですね。証券会社の営業担当者にとっても、明確な論理に基づいてあなたにお勧めしているわけではありません。おそらく、上司から言われた通りに営業トークをしているのでしょう。また、証券会社のアナリスト(分析専門の部署の人)が送ってくるレポートに基づいて、あなたに電話しているはずです。
でも良いのです。あなたにとってはロジックに基づいて投資していることにはなりますから。こうして1年投資してみた結果、営業担当者が言う予測がことごとく外れたとします。「わざと外してるんじゃないのか?!」と言いたくなるぐらい、結果は悲惨なものでした。とすれば、逆のロジックが考えられます
。『営業担当者が○○を買え、と言ったら売る。売れと言ったら、買う』というロジックです。これを
『逆張りロジック』と呼びます。そして1年このロジックに基づいて売買すれば、同じようにこのロジックの有効性が分かるのです。
これは非常に極端な例です。しかし、『ロジック』というものを理解するには分かりやすい例えでしょう。ある一定の売買ルールに基づいてトレードを行えば、それはロジックなのです。
この例での問題点は、そのロジックの有効性を事前に検証できなかったことです。大切な投資資金をかけてトレードを行うわけですから、そのロジックが本当に有効なのかどうか、利益を生み出すものなのかどうかを事前にしっかり検証する必要があります。しかし、この例では検証しないでいきなり投資してしまっていますね。これが問題なのです。
運がよければそんなロジックでも成功するかもしれません。しかしそれは裏づけのない成功であり、今後長期的に利益を取り続けられる可能性を増やしていることにもなりません。
大切なのは、どのような根拠を持って投資するか、なのです。この根拠や論理があるからこそ、悪い点を修正したり、改善したりして自分の投資スキルやパフォーマンスを上昇させていくことができるのです。
一番悪いのは、「なんとなく」投資してしまうことです。その時々のニュースや人の言うことなどに振り回されながら投資してしまうと、どこが悪かったのかを検証することさえできません。自分のなかで明確なルールを持ち、失敗や成功を繰り返しながら、少しづつルールを精緻化していく。この作業こそが投資に必要なことなのです。
会社の経営でも同じことが言えます。 ある営業マンに販売をさせる場合、「とにかく気合で売って来い!」というのが裁量トレードで、「過去にこういうデータがあって、こういう営業戦略とトークを使えば○○%の確率で販売できるはずだから、こういう売り方をして来い」と具体的に指示した方が、長期的に良い成績が出ると思いませんか?
「利益を出したい!」というのは根性論と変わりません。 ビジネスと同様、投資においても『科学的に』行動する必要があります。『科学的に』というのは『再現性がある』ということです。
しっかりとした根拠に基づき、効率的な行動を取る。そして失敗から学び、よりよく改善していく、というのが科学的態度だと思います。 その意味でも、システムトレードという手法は、投資する際には必ず知っておくべきポイントなのです。
投資はかならず成功する保証はありません。だからこそ、失敗から学び、より成功する確率の高い投資を行っていくことが大切なのです。
*『自分の投資を客観視する』を参照 また、『ロジック』の有効性についての問題もあります。
投資の世界には、さまざまなロジックがあります。それらは主に
『テクニカル分析』によって構築されたロジックです。
移動平均線やボリンジャーバンド・RSIなどの様々な指標を組み合わせ、相場の流れをチャートによって分析し、ロジックを作成するのが一般的です。世界的にも、有名なロジックはたくさんあります。
しかし、こうやって作られた
ロジックにも周期性があります。それは、「有効だ」と実証されたロジックがあれば、相場参加者の多くがそのロジックを使うようになります。そうすることによって、ロジックのパフォーマンス自体が変わってしまうのです。それによって、過去には良いパフォーマンスを上げていたロジックが、利益を生み出さなくなってしまうこともあるのです。
そして利益を生み出さなくなったロジックは、また使われなくなります。そして誰も使わなくなったそのロジックは、また利益を生み出すようになる・・・。このように、有効なロジックでも周期性があったりするのです。
相場において
、「売買ルールが回りにバレている」というのは致命的なマイナスになります。これは戦争などの例を考えれば分かりやすいでしょう。
相手が「いつ・どのように」攻めて来るのか事前に分かっていれば、それに応じた最善の戦略・戦術を取ることができますから。
相場とは、戦いの場なのです。ですから、みんなが「このロジックが有効だ」と認識した瞬間から、負けが始まっているのです。
また、短期的に有効なロジック、というのもあります。相場状況に合わせて、適切なロジックを使いこなすという戦略も大いに考えられるでしょう。
もちろんその前提として、事前に大きな相場状況が予測できる、という点は必要ですが。
このように、ロジックといえども絶対的なものではないのです。投資に絶対は無いように。 だからこそ、より有効なロジックや投資戦略を求め続けることが必要となります。そのためにはロジックや相場状況についての正確な理解はもちろん、つねに改善し続ける熱意も必要となります。
このような作業を持続的に個人が行うことは、時間的にも労力的にも非常に困難です。ですから、上手く専門家の力を借りることが大切になります。
健康面では医者に相談するように、法律面では弁護士に相談するように、投資面では専門家に相談することが有効となります。ただ、投資においては「誰がほんとうのプロなのか」を見極める目も必要となってきますが。
ただの「販売員」なのか、「専門家」なのか。
あなたのブレーンとして、投資のプロを有効に活用することが、複雑化する投資業界の中で、今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。
しっかりと専門家を見極める目を持つためにも、投資における重要ポイントを理解する力は必須です。
あなたも少しづつ、楽しみながら勉強を続けていって下さい。
みなさんのおかげで、ブログランキング(金融・投資部門)の上位に入りました。
ここをクリックして頂いたら、さらに順位が上がります。クリックのご協力をお願い致します。
『人気ブログランキング』投資編FC2ブログランキング 投資情報の参考にして下さい。